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※画像:PIXTA



こんにちは、ヴァンダーです。

最近のウクライナ情勢のニュースを見て思い出したのが、2020年の夏、偶然、書店で見つけた読んだ「革命前夜」(須賀 しのぶ著)という本です。




この本を読んだきっかけは、新型コロナウイルスによる感染症拡大で海外に行けない時期に、海外を舞台にした本が読みたかったということでした。確か、本屋大賞を受賞し、平積みされていて手書きのポップがあったので目にとまりました。

DDRという文字を見て「デーデーエル」と読む人はきっとドイツ語学習者。ダンスダンスレボリューションではありません。

1989年11月9日に崩壊したベルリンの壁。その数か月前の夏、自分は当時の西ドイツ(ドイツ連邦共和国 Bundesrepublik Deutschland 略称:BRD(ベーエルデー))にいました。そして物珍しさを求めて、東ドイツ(ドイツ民主共和国 Deutsche Demokratische Republik 略称:DDR(デーデーエル))の中に陸の孤島のようにあった東西ベルリンにも訪れました。

ちょうど「革命前夜」の主人公が東ドイツに留学していた時期です。なんと自分も西ドイツに短期留学していたのです。

当時はスマートフォンはもちろん、携帯電話も一般的ではなく、ドイツ滞在中に世界で起きていることの情報を仕入れるのはほぼ不可能でした。東ドイツで何やら民主化の動きが起きていることは、ホテルのテレビで観たりしていましたが、もちろんニュースの内容は理解できず、東西ドイツの成り立ちについての知識も乏しいものでした。

それが「革命前夜」を読むことによって、自分がいた西ドイツのお隣の東ドイツで何が起きていたのかを知ることができました。

「東ベルリンに行くつもりだ」と当時、西ドイツ滞在中に知り合った日本人に話したところ「壁に近寄りすぎるな。そして、壁の近くでは走るな」と助言とも脅しとも取れる言葉をもらい、「東ドイツとはそんなに怖いところなのか」とおびえながら行ったのを思い出しました。そしてこの作品に描かれているように、重苦しい雰囲気だったのを覚えています。

西側のショーウィンドウでもあった色彩あふれる西ベルリンに対して、灰色のような東ベルリン。当時の自分は体制の違いを理解できていませんでしたが、何か違和感のようなものは感じていたのだと思います。

あとがきを読み、この著者が当時のドイツを訪れていたわけでなかったと知り、非常に驚きました。その場にいなければ感じられない空気感が作品から伝わってきたからです。

ロシアの本質はこの本の当時のソビエト連邦と何ら変わっていないのではないかと思えてなりません。「東西冷戦」や「東西ドイツ」に興味のある方には、是非読んでもらいたい作品です。自分にとっては、自分の体験とも重なる忘れ慣れない一冊です。










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